劇場版 空の境界 俯瞰風景

浮くことと、飛ぶことと。


 実に手堅い布陣で作成されているこの作品。ずっと見たいなぁ、と思いつつ、借りれなくて、いつの間にかレンタルされててTSUTAYAにて借りて見てみました。

 こういった世界観の作品はきっとなくなることはないのだろうけれど、決して評価されるほどの大きなものは少ない。その事実は変わらないと思います。大変繊細で、不安定かつ、得も言われぬ完成度。現実的な描写に動く、非現実的な動きの数々。幻想で割と慣れ親しみある音楽。声、音。想像通りの作品でした。


 次々と起きる少女たちの投身自殺。その事件に巻き込まれてしまった黒桐幹也さん。彼を助けるために事件現場へと挑む義手の主人公、両儀式さん。前提となっていたあの場の説明やら、各々の立ち位置など一切説明などなく、流れている時間を切り取った形で、今作は描かれていました。もちろん前情報なんて一切得ようとせず見始めてはいましたが、不思議とそこへはあまり疑問は浮かばずに、お話に入り込めました。表向きはそんな複雑な設定には見えなかったからかな。



 人はなぜ、自らの生を、自らの手で閉じてしまうことができるのか。

 自殺はすべての事例に於いて逃避でしかない。
 その前提はたぶんズレはないと思います。問題はその状況に至るまでの過程。ソウせざるを得なくなった過程にあり、動機は逃避でしかない。

 なぜ自殺をするのかその理由は、当たり前のように、自殺を考えたことがある人にしか想像もできない。橙子さん曰く、ただ今日は、飛べなかっただけ。それだけのことと。

 幹也さんがラストに語っていた例え話でそれは明瞭でした。人は苦しみからはまず逃れたいと願うもの。できれば一刻も早く。その方法として、死を選ぶこと自体は、可能性に含めてしまうことは、それほど特異なことではない。
 そして止めることも、容易ではない。



 久々にカット数が多いかも、と朧気に感じた作品でもありました。ここから残り6章。最後まで見れるのは一体いつになるのかわからないけど、ちょくちょくチェックしてみようと思います。あんまりにのめり込むと抜け出せそうにない感じもしました(^_^;)

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劇場版「空の境界」 俯瞰風景 【通常版】 [DVD]
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この記事へのコメント

ケッツアール
2008年12月05日 00:52
ある意味、実験的なアニメです。
何故、実験的というと劇場で公開する方式を取っているからですね。
テレビ放映ですと、言い方は悪いですがダラダラして長いし、話の本質を見出ださせるのに何話も制作しないといけない身勝手な制作者の意図があります。

逆に劇場版ですと、簡潔に尚且つ繊細にやろうとしますね。なんたって興行ですので。ダラダラしている時間は無いから濃い内容になります。

しかし、今まで見たアニメには無い異質な世界観があって完成度は高いと思います。
死よりも美しいものは存在しないと謂いたい程に死が密接に絡んできます。

狂的な女の子も出てきますので、お楽しみ。
2008年12月05日 21:16
 劇場での良さが活かされた作品になっているのですね。最近では映画にするから・・・、というものも多い中、それをここまでの長期に渡り繋げることで、悪いところを払拭して良いところをより良く見せられる。相当な後ろ盾というか、盤石な体制がなければできないですね。かつて見たことないです。

 世界観もとても魅力的で、ハマっていきそうです。残りもとても楽しみです(^.^)

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  • 空の境界-karanokyoukai- 

    Excerpt: この間TSUTAYAへ久しぶりに行ったら、前からずっと見たいって思ってた“空の境界”が新作であるじゃないか~ Weblog: Mixture  racked: 2009-01-21 18:23