サマーウォーズ

やればできることは、やらなければできないこと。
画像













 夏映画2つ目。時かけの時に感じた、こみ上げてきた感動とほとんど同じような感覚にとらわれました。映画本来の在り方、エンターテイメントとして正統な楽しさがぎゅっと詰められていました。

 仮想世界は現代の、さらにもう2,3歩先を描いていた未来な世界。それと原風景が広がる長野県上田にある夏希ちゃんの祖母のお家。そしてそこに集まるそれはそれは一体何人いたかわからないくらいの大家族(^.^)
 あまりに両極端なその2つの世界を繋いで描いてくれていたこと。それは大変くシンプルで、だからこそ心打つメッセージでした。

 もう歳なのでw 世間体気にせずにいることができたら、たぶん2,3カ所で泣いていました。嬉しい哀しいの感動ではなく、壮大で、愛ある人と人との繋がりに感動してしまい、何よりも演出・描き方が随所で素晴しいものでした。


 見所は本当に多く、気が抜けないだけに心地よい疲労感さえ襲ってきました。夏希ちゃん、健二君、そして佳主馬君。3人に何度も強く強く引き込まれ、彼等の言葉に心打たれ、感動がどんどん大きくなっていく時間が楽しかったなー

 健二君は数学を、夏希ちゃんは花札を、佳主馬君は格闘技を武器にOZと呼ばれる仮想世界に送り込まれたラブマシーンと呼ばれるAIと戦う。

 大家族での場面は本当に全員が動いていて、そこには本当の家族が見えました。家族だからこその図々しさや言葉の端折り方、周りみんながみんなをわかっていて、そして変わらない。それらが何年、何十年とかけて繰り返されて、たとえ自分にどんなことが起きても、周りにどんなことが起きても"変わることはない"
 それが家族。

 それを喜ばしく思えるときもあれば、煩わしいと思うことも多いかも知れない。けれど「どうやっても変わらないんだ」という、世の中に数少ない絶対がそこにはあって、それはその人が生きる上での意識せず根底になっている。

 そんなの世界中の誰だって、とは、今は呼べないのかもしれない。でも少なくとも日本であれば、今は失われつつあるとしても、きっと誰もが持っている感覚なはず。
 

 温かさや優しさだけではない。ありのままの家族がここには描かれていて、なぜか懐かしいと感じることこそが、人であることの喜びにも等しいです。
 健二君があの大家族に感じていた気持ちは、そんな現代社会に失われつつあることの一つでした。大勢でご飯を食べるって、実は相当楽しいことなんだよなあ。



 敵に動機はない。

 この点だけが、恐怖の何者でもないと思いました。
 何かを遂げたい、占めたい、倒したい。そんな思想、欲望がこれまでよく描かれていた"敵"と見なされるイメージであり、"悪"のイメージ。でもこれも今は変化していて「動機なきもの」が増え始めているのも事実でした。自分がどんなことをしていて、どんな影響を与えていて、それでいて自分には悪いことをしているという意識はない。
 善悪がわからない、理解もできないししようともしない。そんな存在は今後、より増えてくる。そんな兆候を示唆した存在が、ここで描かれていたラブマシーンに見えました。



 随所に夏が感じられ、暑く、ただ熱く楽しかったです。3人のメインが次々と主役を切り替わっていったラストは本当に震えるものがあり、100%エンターテイメントとして完成していたと思います。この点が、細田守監督が作り出す今後の世界となっていくのだとしたら、なってくれるとしたら、新たなカテゴリが完成を成すのかもしれない。

 同じ日テレってこともあり、あちらの監督作品をつい思い出してしまうのだけれど、あまりユーザーは被ってはいないように思いました。どちらかというと「こちらより」(^_^;) な感じを、夏希ちゃんアバターが変身した際に強く感じましたw
 どちらがどうの、ということは一切ないし、良き作品が増えてくれる今この時代に生きていることは寧ろ幸運であり、出会えることをただただ、喜びと感じます。



 できるできないはやってみなければ何もわかるものじゃない。
 諦めないこと。何事にも前向きに、
 目の前の何事からも逃げず戦い、呼び込む。
 時には殴りつける勢いで。
 何よりも人のために、そして自分のためにできることを
 悔いのないよう、やり遂げる。

 それがこの夏、健二君が得た夏の思い出であり、勝ち得た勝利。
 夏希ちゃんからのキスはその最高のご褒美でした。


 映画館で観ることこそが、この作品をもっとも楽しめる一番大事で簡単な楽しみ方と思います。観ることができて本当に良かったです。


サマーウォーズ [Blu-ray]
バップ
2010-03-03


Amazonアソシエイト by サマーウォーズ [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

ケッツアール
2009年08月14日 01:23
久しぶりに良作の部類に入る映画かなって見た後に感じた。

引き込まれるんですよね、映画の中に。
共同意識ってことじゃないんだが、共感できるから実によく出来ている。

仕事先の人にも見てくれって宣伝してます(笑)
このサマーウォーズの中身はシンプルで人と人との繋がりがあれば、どうにかなる。なんてことを具体的に語っているように思えました。

例え、現実ではない世界も人との交流があってこそ成り立っているわけで、現実と区別するのも間違いなのかもしれない。

人って温かい生き物なんだなぁって感じてしまった。

まさかの展開が用意されていましたが、あれは仮想世界と現実の比較だね。システムは幾らでも修復できるが、人の命には寿命があるってね。

見応えあったでしょ、もう細田監督はこれからの日本を描くアニメ監督として任せられると思う。

サントラ、かなりいいですよ。映画が良いとサントラもいいんだよな。
2009年08月15日 01:03
 人と人との繋がりが薄らいでいると言われる昨今。コミュニケーションがあければ、何一つ感じることはできないのだということが再認できました。
 当たり前のことを描き、そのままを伝えることがいかに難しいかがわかっていると、この作品の良さがもっとわかると思います。

>もう細田監督はこれからの日本を描くアニメ監督として任せられると思う。

まさにそうですね。新たな確立ができたと思って良いですよね(^_^)

この記事へのトラックバック