劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ

もう一人の、観測者を。
画像
























 先週のニコ生一挙放送で復習してからの、劇場版。これほどまでに話題性の高い、そしてTVシリーズでも完成度の高い作品でありながら、なぜか都内での公開はわずか2館のみという仕打ち。もうこうなったらロングランしてもらって、判断した人(誰か知らないけどw)に大いなる後悔を突きつけてあげたいです。


 お話はタイムリープな物語らしい、安定感ある、言ってしまうと無難なものではありました。TVシリーズの延長線、エピローグにもなっていながら、真のエンディングとも取れるその構成は、随所に見事な論理が張り巡らされていて、独特の説得力が込められており、間違いなくこの作品は「シュタインズゲート」であると思わせる素晴らしい作品だったと思います。

 確定したと思われた未来。岡部倫太郎はリーディングシュタイナーの能力保持者であり、幾度と無く時間を遡ってはやり直しをし続けた結果、唯一無二の世界線を手に入れた。けれどその影響と負荷は創造を絶するものであり、彼をこの世界線へ留めておくにはあまりにも彼の存在は脆弱さを帯びたものとなっていました。結果もたらされた事象、それは彼だけが取り除かれた世界線の形成でした。
 その事に気づかせたくれたのは、バイト戦士こと、阿万音鈴羽。そして彼女が頼った人間が、牧瀬紅莉栖。彼女だけが彼を救える唯一の人間でありもう一人の観測者。
 こうして紅莉栖が岡部を取り戻す旅が始まりました。


 岡部が鬼気迫る勢いで、過去改変をしてはいけないと訴え続けていたシーンは、本当に心が潰されるほどに哀しくも切ないシーンでした。彼が口にしている言葉、そのすべては後悔でしかなく、彼が否定しているものは彼が歩んできたこれまでの時間すべてでありつまり、この「STEINS;GATE」という作品そのものだったから。

 やり直せないからこそ、人は多くの理不尽なことや哀しみを受け入れ、乗り越えていける。そこには「時間」という絶対に、どうやったってどうすることも敵わないものが存在しているから。「時間」だけは、万人に等しく流れ、万人が、どうすることもできないとわかっているから。だから人は生きていける。そんなに哀しみに潰されようとも、どんなにも苦しい時が来ても。

 その時間を超えてしまうものが存在してしまったら?

 それは誰もが創造し易い結末を迎える。それでもかつて岡部はタブーを侵してまで、まゆりと紅莉栖を救っていました。


 彼の選択こそが世界の選択である。紅莉栖は一度は受け入れかけたけれど、鈴羽の言葉で、彼女は想いを潰さずに済みました。世界よりも彼を選んだ。それがシュタインズゲートの選択であると、信じて。


 改めて思い返してみると、世界を、岡部を救ったのは鈴羽なんじゃ、と思えてきてしまったけれど(^_^;) それはそれとして、紅莉栖がいなければ成し得なかったことは紛れもない事実だからな。そして時間は2005年へとさかのぼり、すべてが始まってもいました。


 紅莉栖がとにかくすべてのカットで可愛かったとしか言い用がなく、こんなにも自分は紅莉栖が好きだったんだと思い知った劇場版でもありました。何かある週の理想がすべて詰め込まれていたというか、完成形と呼んでしまってもよいのではないかと思えるほどですw



 日常生活に於いて時折誰しもが感じる既視感、デジャヴ。それはつまり、すぐ隣で今も流れている別の世界線で得た「もう一人の自分」の記憶、その断片。
 自分が認識している世界とは、自分が記憶している世界と同意である。それほどまでに記憶とは絶対的存在であり根底にも関わらず、あまりにも脆弱で不安定なもの。自分の記憶が本当の意味で「自分の得た記憶」なのかどうかは、誰にも証明できるものでもない。「信じている」からそう思っているに過ぎない。疑わないから、在り続けているに過ぎない。
 過去の記憶。そこにはどれほど真実があり、どれほどの価値があるのか。そんな曖昧で不確かなものを拠り所としていいのだろうか。
 世界とは、自分が知っている記憶だけでは形成されていない。自分が知らない記憶の大部分でできている。そしてその大部分に対する記憶の中には、自分とはまた違う自分の記憶があっても、それを否定することはやはりできない。
 世界とは、ありとあらゆる人の記憶で成り立っていて、その人々とは、必ずしもが皆、同じ世界線に存在しているとは限らない・・・
 その大きな壮大な不安定の中で、人は己の信じ進むべき道を、常に無数に選択し続けている。その選択の結果得ている世界線。
 それがつまり、シュタインズ・ゲート世界線。



 未来とは未知でありつつも、どうしたってそれは定めがあるものと感じつつ、同時に、やはり選択による変動は存在するのだと想うことができました。このシュタインズゲートという世界を知ることが出来て良かったです。今、この、シュタインズ・ゲート世界線に射ることが出来てよかった(^_^)



「 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 」 主題歌 「 あなたの選んだこの時を 」
メディアファクトリー
2013-04-24
いとうかなこ


Amazonアソシエイト by 「 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 」 主題歌 「 あなたの選んだこの時を 」 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック